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    SAGA 1

    WRITER:BRIAN K. VAUGHAN, ARTIST:FIONA STAPLES

    翼を持つ人々が住む惑星ランドフォールと、角を持つ人々が住むその衛星レース。二つの星の種族は、銀河系に広がる戦いを長きにわたって繰り広げていた。
    しかしそんな中、辺境の星クリーブで、ランドフォールとレース両方の血を受け継ぐ女の子ヘイゼルが誕生する。彼女の父、レースの戦士マルコと、母であるランドフォールの女兵士アラナは、彼らを狙う双方の星の兵士達から逃れるため、生まれたばかりのヘイゼルを連れてクリーブの『宇宙船の森』を目指して旅立つ。
    一方、ランドフォールのロボットキングダムの王子Ⅳは、混血児の存在を闇に葬るよう命令を受け、クリーブへ向けて旅立つ。他方では、レースの司祭ベズが、賞金稼ぎザ・ウィルを雇い、禁忌を犯したアラナとマルコを殺しヘイゼルを自分の手中に収めようとしていた。
    自分たちを狙う追っ手の手を逃れ、クリーブの幽霊イザベルを味方にしたマルコたちは、ついに宇宙船の森へとたどり着くのだが…

    2012年の話題作として、アメリカのレビューサイトなどでかなり挙げられていた作品の、単行本第1巻。#1から#6を収録。

    まずこの作品を特徴付けている要素のひとつが、多彩な登場人物達。1巻の範囲ではこんな人たちが登場する。

    ・本作の主人公のひとり、アラナAlana。ランドフォール連合の兵士として戦場に赴くが、問題行動を起こし、惑星クリーブの捕虜収容所の衛兵に左遷される。が、そこでレースの兵士マルコと出会い、彼との間に娘ヘイゼルを授かることに。
    決断力に富んだ性格で、平和主義者のマルコを尻に敷いている。

    ・本作の主人公のひとり、マルコMarko。魔法を使う角持つ人々が住まう衛星レースの戦士だった。平和主義者で、自身の信条からランドフォールに降伏し、収容所でアラナと出会う。二人は出会ってすぐに駆け落ちした模様。
    レースでの習慣に従い、アラナに婚約指輪を贈るが、逃走の最中にそれが元婚約者の親から受け取ったものであることがばれて気まずい雰囲気に。
    魔法が使えるものの、そのためには誰にも話したことのない秘密であったり、雪の結晶であったりといった様々な要素が必要になるため、いつでも使えるわけではない。
    上にも書いたように平和主義者だが、アラナの危機には獅子奮迅の活躍を見せた。

    ・アラナとマルコの娘ヘイゼルHazel。ふたりの特徴である翼と角を受け継いでいる。本作には、成長したヘイゼルが、物語上の現在を振り返って語っているらしきナレーションが入る。しかしそのナレーションは不吉なものや皮肉めいたものが多く、これから家族が体験するであろう苦難を感じさせる。

    ・プリンス・ロボットⅣ。ランドフォール連合のロボットキングダムの王子。ロボットキングダムはランドフォールの有翼人たちに雇われ、銀河中に広がるレースとの戦いを請け負っている関係。
    前回経験した戦場での悪夢に悩まされつつ、アラナ達を追跡するⅣは、妻の妊娠を知り、子どもが生まれる前になんとかランドフォールへ帰還しようとしている。

    ・ザ・ウィルThe Will。凄腕の傭兵。レースの司祭に雇われ、アラナとマルコを殺そうとする…はずだったが、商売敵でかつての恋人ザ・スタークが先行していることを知り、一度は仕事を投げ出す。が、一時の愉しみを求めて訪れた享楽の星セクスティリオンで、性奴隷として扱われていた少女を救ったことから、金が必要になり、仕事を再開しようとする。嘘を聞くと"Lying(嘘つき)"と鳴くライイングキャットを連れている。

    ・イザベルIzabel。クリーブの森に住み着いていた幽霊。クリーブを出るためにアラナと取引し、ヘイゼルに取り憑く。ヘイゼル曰く、彼女は自分の最初のベビーシッター、との事。明るい性格で、幽霊なので誰にも触れることができないが、ヘイゼルの面倒をよく見ている。ただし、太陽が出ている間は姿を現すことができない。

    ・ザ・スタークThe Stalk。ザ・ウィルの元恋人で、彼と同じくレースの司祭に雇われ、ヘイゼルを手に入れようとする。が、イザベルたち幽霊の接近に気づいて恐れをなして逃げ出したり、クリーブの野生動物に襲われて逃げ回ったりと、あまりいいところがない。最期にはⅣによって殺され、ザ・ウィルとⅣの間の因縁を生む。

    彼ら全てが違う種族であり、それぞれに特徴的な外見をしているというのがおもしろいところ。
    作風はスターウォーズ的なスペースオペラ、と紹介されることも多いようだけれど、むしろそれぞれの登場人物は自分の目の前のことに手一杯で、壮大な世界観という感じはあまりしない。1巻の最後で、アラナ達はようやく惑星クリーブを脱出するといった具合で、展開もゆっくりしている。
    それでもこの作品が非常に魅力的なのは、そのゆっくりとした展開の中で、上に挙げたような登場人物達が、絶妙に物語の空気を織り上げているところにある。特にアラナとマルコの夫婦は、世界を敵に回して、心に余裕のない旅を続けているのだけれども、それでもお互いを思いやっていて、何よりも娘を愛しているのが伝わってくる。そして語り手であるヘイゼルも、皮肉な口調の中に間違いなく両親への愛をにじませているのが印象的だ。
    物語はまだまだはじまったばかりといった印象(なにしろスターウォーズで言えば、ルークがタトゥイーンを出たところだ)で、たぶん十年がかりというようなスパンの連載になりそう。それでも、今の雰囲気が続いてくれる限りは読み続けたい、そう思わせてくれるタイトルだと感じた。
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