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    SUPERMAN:SECRET ORIGIN

    WRITER:Geoff Johns, ARTIST:Gary Frank

    カンザス州スモールヴィル。老夫婦の息子として農場で暮らす少年クラーク・ケントは、両親と幼なじみの少女ラナしか知らない秘密を持っていた。彼は常人をはるかに超えた力を持ち、その肉体は鋼鉄のように丈夫だったのだ。それに加えて、透視能力や目から熱線を発する能力が現われるようになり、自分が誰かを傷つける危険におびえるクラークに、両親は真実を告げる。クラークは小さなロケットに乗ってこの星にやってきた異星人であり、彼らはロケットを隠して、クラークを自分たちの子として育ててきたのだ。
    真実を知りショックを受けるクラークを、養父ジョナサンは優しく抱き、お前は自分たちの息子だと語る。クラークは熱線を吸収できるロケットの部品で作ったメガネをかけ、また学校へ通う生活に戻る。そしてラナが竜巻に巻き込まれるという事件をきっかけに飛行能力を発揮したクラークは、竜巻からラナを救い出したように、自分の力で人々を救うことにする。そして養父マーサはロケットが映し出した映像を元に、赤子のクラークを包んでいた布を使って、特別な衣装を作るのだった。(#1)

    マーサの作ってくれた衣装に身を包み、人々を助ける謎の少年として活躍するクラークだったが、その反面、同年代の子どもたちのスポーツには加われず、孤独を感じていた。そんな彼の前に奇妙なコスチュームを着た三人の少年達が現われる。彼らはそれぞれ、コズミックボーイ、ライトニングラッド、そしてサターンガールと名乗り、自分たちは30世紀からやってきたリージョン・オブ・スーパーヒーローズだと告げる。彼らについて30世紀を訪れたクラークは、自分の能力を隠す必要のないこの時代に興奮するが、タイムスリップのルールを破ったことをリージョンの一員ブレイニアック5にとがめられ、元の時代へ帰ることになる。
    しかしコズミックボーイ達は元の時代のスモールヴィルでの別れ際に、また会うことを約束し、その証として一本の木にしるしを刻むのだった。(#2)

    十数年後、クラーク・ケントは大都会メトロポリスで、新聞記者として雇われることになる。その新聞社デイリー・プラネットは、街の権力者レックス・ルーサーに反発しているために売り上げ不振に苦しんでいた。クラークは知り合った同じ新聞記者のロイス・レーンに連れられて、ルーサーの会社レックスコープの新しい商品、パワードスーツのメタロの発表会に潜り込む手助けをさせられる羽目に。しかしロイスが警備員に捕まえられそうになったとき、運悪くメタロから出ているコードが絡まり、ロイスはメタロが掲げ持っていたヘリコプターもろともビルの屋上から放り出される。それを救ったのは状況を理解してあのコスチュームに着替えたクラークだった。しかし空を飛ぶクラークに人々が向ける好奇の目に耐えられず、彼はその場を離れるのだった。(#3)

    その翌日、レックス・ルーサーはいつものように自社のビルの前に群がる人々の中から一人を選び出す。その人物とはデイリー・プラネットのビルで働く中年男ルディ・ジョーンズであり、ルーサーは彼の望む物をなんでも与えることを申し出る。
    一方で街の話題となっている空飛ぶ超人に興味を持っているルーサーは、ロイスとクラークを自分のもとに招き、空を飛ぶ超人のことを聞き出そうとする。だがその最中、同じビル内で落ちていたドーナツを拾って食べたルディの身体が変化し、怪人パラサイトとなって人々を襲い始める。事態を察知したクラークはトイレを装って着替え、パラサイトを捕らえる。しかしことの経緯を傍観していた人々に対し、パラサイトではなくクラークの危険性を訴えるルーサーの言葉を聞いた彼は、ひとり空を飛んでデイリー・プラネットの屋上にやってくる。
    そこでデイリー・プラネットの見習いカメラマン、ジミー・オルセンと出会ったクラークは、彼の身の上話を聞き、彼に自分の写真を撮らせることにする。ロイスの記事とジミーの写真が一面に載せられたデイリー・プラネットの誌面で、クラークはスーパマンという名を与えられるのだった。(#4)

    人々を助けるスーパーマン、彼を写真に収めるジミー、そして記事を書くロイスという一種のチームが活躍し、デイリー・プラネットは業績を伸ばしていく。その一方でスーパーマンへの異常な敵愾心に燃えるルーサーは、同じくスーパーマンを危険視する、ロイスの父レーン将軍の協力を得て、スーパーマンを捕らえる作戦を立てる。ある鉱石の放射能に侵されたドーナツを食べたパラサイトが、スーパーマンを傷つけることができたことから、この鉱石の放射能によってスーパーマンを倒すことができると確信するルーサーは、メタロに鉱石を積み込み、スーパーマンと戦わせることにする。
    爆発音を聞きつけ、やってきたスーパーマンと対面したレーン将軍は、彼が異星人であることを指摘し、この星から出ていくよう促す。しかし自分は地球で生まれ育ったアメリカ人だと自覚するクラークは彼の命令に反し、会談の席を立った。それを明確な反抗と捉えたレーン将軍は兵隊を出動させ、スーパーマンを止めようとする。
    銃で撃たれても平気なスーパーマンだったが、レーン将軍お気に入りの軍人であり、ロイスに想いを寄せるジョン・コーベン軍曹の操縦するメタロの放つ放射線によって苦しめられる。しかし援護射撃がスーパーマンの身体に跳ね返ってメタロが故障、コーベンは傷を負い倒れる。コーベンを救おうとするスーパーマンだったが、降り注ぐ銃撃に退却を余儀なくされるのだった。(#5)

    スーパーマンを逃がしてしまったレーン将軍は、軍隊を出動させてデイリー・プラネットを占拠し、スーパーマンに関するあらゆる資料を手に入れようとする。
    強権を振りかざす将軍を止めようとするスーパーマンだったが、その前にルーサーによる手術を受け、もはやメタロそのものの怪人と化したコーベンが立ちふさがった。しかしスーパーマンとの戦いを何よりも優先するメタロは、仲間の軍人や周囲の人々が傷つくことも構わず街を破壊し続ける。
    デイリー・プラネットから飛び出してきたロイスから自分を弱体化させる放射線のことを聞いたスーパーマンは、鉱物を収めたメタロの胸をマンホールの蓋で溶接すると、メタロを抱えて成層圏まで飛び上がり、彼が呼吸困難に陥って昏倒したところで地上に戻る。
    その様子を見て娘もろともスーパーマンを捕らえようとするレーン将軍だったが、人々は自分たちを救ってくれたスーパーマンを軍に引き渡すまいとする。スーパーマンは人々に、自分は救世主ではなく、ただ人々が自分に与えられた能力を、お互いに分かち合うことでよりよい世界が作れると信じているだけだと語り、その場を去る。そしてメタロの敗北に荒れるルーサーのもとに赴き、人々は自分の所有物でも、ルーサーのものでもないと宣言する。
    スーパーマンはメトロポリスにとどまり、彼を支持するデイリー・プラネットの見方は人々に受け入れられた。ロイスをデイリー・プラネットの屋上へ誘ったスーパーマンは、彼女に感謝の意を伝える。あなたは人なのか、それともエイリアンなのかとロイスに問われた彼は、自分はスーパーマンだと答え、空へと舞い上がるのだった。(#6)

    ジェフ・ジョーンズ&ギャリー・フランクの描くスーパーマンのはじまりの物語。このコンビの描くスーパーマンを読むのはSuperman and the Legion of Super-Heroes以来だけど、どちらも甲乙つけがたい名作になっていると思う。
    本作でまず特徴的なのは幼少時代のクラークに全6話中の2話を割いている点で、このおかげでスーパーマンをスーパーマンたらしめている大きな要因である、ケント夫妻との絆がしっかり描かれている。
    ライターのジェフ・ジョーンズは親子関係を物語の重要なテーマに持ってくることが多い作家で、本作でもそのこだわりが十分に発揮されている。中でも、1話で自分が異星人であることを知り、家を飛び出したクラークが、追ってきたジョナサンに、「自分は他の誰でもない、クラーク・ケント、父さんと母さんの息子でいたい」と訴え、ジョナサンがそんな彼を抱きしめて、「お前は私たちの子だ」と伝えるシーンが特にいい。
    それから、スーパーマンがはじめ人々に受け入れられず、あるいは過度に期待をされている状態から、当たり前のように存在するひとりのヒーローとして受け入れられていく過程が描かれているところもポイント。その転機のそれぞれに、やはり両親の存在が大きなものとして描かれているところはさすがだ。
    終盤のメタロとの対決がちょっと地味なスケールなのと、地球にやってきた二番目のロケットが処理されない伏線として残ってしまったのが気になる部分だけれど、これがまだ「はじまりの物語」であることを考えるとそれらもあまり気にならないかな。
    とにかくスーパーマンという素材は思い切りベタな方向に振っても全然問題ないというか、むしろそれでこそスーパーマンとすら言えるヒーローなので、感動的な話が得意なジェフ・ジョーンズにはすごくよくはまっているキャラだと思う。

    個人的には、現行のアクションコミックスはこの作品を念頭に置いて読むとなおおもしろいものになると思う。はじめの相手がメタロと裏で糸を引くレックス・ルーサー、と見せかけてもう一段スケールを大きくするブレイニアックという存在が登場するあたりや、この作品とは違ってまだ成長途上といったスーパーマンおよびクラーク・ケントの性格という部分などがそれで、数あるスーパーマンのオリジンを語る物語を見比べるという楽しみの手始めとして、今作に手を出してみるのもアリなのではないかな、と思った。
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