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    WONDER WOMAN #7-12

    WRITER:BRIAN AZZARELLO, ARTIST:CLIFF CHIANG

    ハデスに攫われたゾラを救出するため、地獄へ下る術を求めて、エロスとヘファイストスを訪ねたワンダーウーマン達一行。
    そこでワンダーウーマンはヘファイストスから、自分たちアマゾン族がいかに一族の血筋を維持してきたのかを聞かされる。アマゾン族は百年に三度、略奪の航海に出る。彼女たちはその航海で男と交わり、孕んだ子が女児であれば一族として迎え、逆に男児が生まれればヘファイストスと武器の取引をするための代償にされたというのだ。ヘファイストスの工房で働くアマゾン族の男たちが彼の奴隷であると感じたワンダーウーマンは、ヘファイストスを縛り上げ、彼らに自由を求めて立ち上がるよう語りかけるが、アマゾン族の男たちは、自分たちを育ててくれたヘファイストスは父であり、今の自分たちは幸せであると語る。結局、ワンダーウーマンも彼らの言葉を受け入れるのだった。

    ヘファイストスの作った武具に身を固め、エロスの拳銃を手にしたワンダーウーマンは、ヘルメスと共に地獄へ下る。地獄でゾラと再会した彼らだったが、地獄の支配者たるハデスは、ゾラを返すかわりにエロスの拳銃を要求する。ワンダーウーマンに拳銃を渡されたハデスはしかし、その銃で彼女を撃ち抜いてしまう。倒れたワンダーウーマンの意思により、ヘルメスはゾラを連れ二人で地上へ帰還する。そしてハデスはワンダーウーマンとの婚礼を宣言するのだった。

    ハデスとワンダーウーマンとの婚礼に、しかし神々はほとんどが招待に応えようとはしなかった。そんな中で地獄に向かったヘファイストスとエロス、そして彼らの同伴者として同行するレノックスは、地獄が支配者の結婚を祝うために死者の魂で荘厳な姿になっているのを目撃する。
    婚礼の席へと向かう途上、ハデスはワンダーウーマンに、婚礼に先駆けてウェディングリングを渡すことを提案する。しかし彼の言うウェディングリングとは、絞首台に設えられたワンダーウーマンの武器、捕らえた者に真実を語らせる投げ縄だった。ハデスはそれに首をかけたまま、愛を誓えとワンダーウーマンに命じるが…

    ワンダーウーマンの新シリーズ、2巻収録の物語は、この後地獄からの脱出を経て、ゾラの出産を目前に控え動き出したアポロとアルテミスの兄妹との対決を描いていく。
    全編を通して、神々が口にする、何かを得るためには対価が必要であるという考え方と、ダイアナとゾラの間に結ばれている約束という言葉の対照がひとつのテーマなのかなという気がする。その意味で、最終的にアポロと取引をしてゾラを守りきったはずのダイアナが、悲劇に見舞われたゾラと新たな約束を交わす#12のラストは深い意味を持っていると思う。
    一方で次々に登場する神々は相変わらず魅力的。今回新たに姿を見せたヘファイストスとアマゾン族の男たちの関係については、ヘファイストスがヘラの第一子でありながら、足の曲がった奇形児であるために彼女から疎まれていたという由来が下敷きになっていて、もちろんそれは望まれない子として生まれ、捨てられる運命にあるアマゾン族の男たちと重なる。アマゾン族についての新設定はどうかと思うけど、ワンダーウーマンのオリジン変更と方向性が揃っているのは評価できるかな。
    物語はこれから一転して、ワンダーウーマンは守り逃れる立場から一転して追いかけ、狩る立場にかわることになる。その中で現われるダイアナの異母兄弟たちもまた魅力的で楽しい。そのうち単行本1册分くらいのエピソードをまとめて紹介したいと思う。
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    STARMAN #0-3

    WRITER:JAMES ROBINSON, ARTIST:TONY HARRIS

    オパールシティの守護者であり、長きにわたって活躍してきたヒーロー、スターマンことテッド・ナイト。自身の研究の産物コズミックロッドを手に戦ってきた彼も、老いてヒーローの座を退くときがやってきた。
    テッドからスターマンの役割を受け継いだのは、彼の長男デビッド。一方で、アンティークを愛する弟ジャックは、ヒーロー活動に批判的で、父や兄とも折り合いが悪かった。
    しかし、デビッドはスターマンの仇敵である怪人ミストの息子カイルにより殺害され、ナイト家の血筋を絶やそうとするミストにより、ジャックもその身を狙われる。
    父が密かにジャックの元に送っていた、コズミックロッドの旧式版グラビティロッドの力で脱出に成功したものの、ジャックはカイルにもうひとつの武器コズミックベルトを奪われてしまう。屋敷を爆破され、自らも怪我を負ったテッドは、病院で再会したジャックに、オパールシティを離れるように伝える。ミストの指揮する複数の強盗団により、無政府状態に陥った街を、一度は後にしようとするジャックだったが、芸術家だった母の思い出の作品が危機にさらされていることを知り一念発起。グラビティロッドを手に強盗団を相手に大立ち回りを演じる。戦いの中でグラビティロッドを失ったジャックは、カイルの妹ナッシュと出会うが、何故殺し合う必要があるのかというジャックの問いに、ナッシュは彼を見逃す。
    ジャックは父のもとへ戻ると、彼が忘れかけていたもうひとつのコズミックロッドの情報を聞き、それを手に入れる。が、その隙にミストの知り合いで同じくヴィランであるシェイドにより、テッドは誘拐され、ミストの手に落ちてしまった。ミストの提案を受け入れ、ジャックはカイルとの一騎打ちに臨む…

    1994年に開始されたシリーズの最初のストーリーアーク。現在は単行本Starman VOL 01: Sins of the Fatherか、シリーズを発行順に収めた全集The Starman Omnibus Vol. 1 に収録されている。
    最初のストーリーアークを収めた単行本Sins of the Fatherは、僕が初めて買った原書で思い出深い。今読み返しても、オパールシティ上空で戦いながら、ジャックの胸中に様々な思い出が去来する#3の展開は素晴らしい。
    ジャック・ナイトは一見すると頼れる兄貴みたいな外見なのだけれど、その内面は実にナイーブで、ことあるごとに自分はヒーローじゃない、父や兄みたいにはなれないと苦悩する。その苦悩と、やっぱり街の危機を見捨てておけないというヒロイックな行動とのギャップがおもしろい。当然、最終的にはヒーローとして立ち上がっていくことになるけれど、その一方でこれまでのヒーローとは一線を画した存在であろうとする(パトロールはしない、タイツも着ない)姿勢に、ひねくれた性格を見ることができる。
    物語はジャックがヒーローとして成長していく一方で、ヒーローの宿命とも言える様々な問題を抱えていくことになる。この後のお話も機会があればこのブログで紹介するつもり。

    WONDER WOMAN #1-6

    WRITER:BRIAN AZZARELLO, ARTIST:CLIFF CHIANG

    ある日突然、モンスターに襲われた女性ゾラ。ギリシャ神話の神であるヘルメスに命を救われた彼女は、彼の導きにより、ワンダーウーマンと巡り会う。
    ヘルメスから、自分が妊娠していること、お腹の子の父親はゼウスであることを告げられたゾラは、ワンダーウーマン、そして傷ついたヘルメスと共に、嫉妬深いゼウスの妻ヘラの手から逃れるため、ワンダーウーマンの故郷であるパラダイス島へと向かう。
    パラダイス島で、女王でありワンダーウーマンの母であるヒッポリタの歓待を受ける一行。ヘルメスはゾラに請われ、ワンダーウーマンことパラダイス島の王女ダイアナの伝説を語る。生来子を産まないアマゾン族において、それでも子を欲したヒッポリタ女王が、月のない夜に、粘土で赤子を形作り、神々の奇跡を願った。そして粘土の赤子は魂を得た。それがダイアナ王女の誕生の伝説なのだ。
    その王女の帰還を祝う宴の最中にも、女王ヒッポリタは不穏な気配を感じていた。そしてその予感の通り、ギリシャ神話における闘争の神エリスが現われ、パラダイス島は混乱に陥る。彼女の力により、互いに同士討ちを始めるアマゾンの戦士達。ワンダーウーマンはエリスに立ち向かうが、エリスはワンダーウーマンに、驚くべき真実を告げる。彼女は粘土から生まれた存在ではなく、ヒッポリタとゼウスとの間に生まれた子どもだったのだ。
    一部を除き、そのことを知らされていなかったアマゾン族は、暴かれた真実に結束を乱す。そして自分を欺いていた母と袂を分かったワンダーウーマンは、二度と戻らぬ事を誓い、島を後にする。それでもゾラの何気ない言葉に思い直した彼女は、ヘルメスと取引をし、彼の杖を使ってパラダイス島へと舞い戻るが、時既に遅く、ヘラの怒りを受けたアマゾン族は蛇に、そしてヒッポリタは石像へと姿を変えられてしまっていた…

    DCの一大リランチを受けての、ワンダーウーマンの新シリーズ、単行本1巻相当となるのが、#1から#6まで。上に書いた#4までの展開の後、ワンダーウーマンは自分と同じくゼウスの私生児である男レノックスと出会い、ゼウスの不在を受けて天界の玉座を狙うポセイドン、そしてハデスの二人の神を相手にすることになる。

    同じような話の繰り返しになって恐縮なのだけれど、僕はこのシリーズも、パラダイス島の衝撃の事実あたりで、いったん読むのをやめてしまっていた。当時は旧来のオリジン(ヒッポリタ女王が作った粘土の人形に命が吹き込まれて、ワンダーウーマンが生まれたというもの)に大幅な変更を加えるやり方が話題先行の売り方に思えて、何となく反発したい気持ちがあったからだ。で、また同じ話の繰り返しで、まとめて読んだらすごくおもしろかったという(笑)。
    このシリーズの魅力は、まずダイアナのヒロイックさ。自分自身がアイデンティティーの崩壊にさらされ、故郷の一族を丸ごと失うことになるのだけれど、それでも守るべきゾラに対しては優しく、そして戦うべき敵に対しては凛として立ち向かう。ヒーローってのはこうでなくっちゃ、という姿を、まざまざと見せつけてくれる。スーパーガールが少女としての側面を丹念に描いていたのに対して、こちらは母性を前面に出している感じかな。それと、いざアクションシーンとなると容赦ない戦い方で血みどろになることもざらにある、という落差がすごく魅力的だ。
    もうひとつ、このシリーズで楽しいのが、神々の存在。彼らのビジュアルはリランチ前から大きく変更されていて、特にポセイドンとハデスはインパクト大。一方で、市井に紛れて暮らしているらしきゼウスの子ども達は、なんとなくニール・ゲイマンのサンドマンに登場するエンドレスや、同じ作者の作品アメリカン・ゴッズの神々を彷彿とさせる。これがアメリカ的な神様のイメージなのかな(ゲイマンはイギリス生まれだけど)。
    最新刊まで目を通してみると、現代に生きる神々の間にワンダーウーマンを放り込む、というアザレロの試みは、ゾラの出産でひとつのピークを迎え、そこからさらに発展して、今だ知られざる、新しい神々、というところに中心が移っているようだ。その意味からも、ついに登場した「新しき神々」ニューゴッズがどういう風に絡んでくるのかも楽しみ。

    Unwritten vol.1: Tommy Taylor and the Bogus Identity

    WRITER:Mike Carey,ARTIST:Peter Gross

    世界中で大人気となったファンタジー小説、トミー・テイラーシリーズの作者ウィルソン・テイラーを父に持つトーマスは、実在のトミー・テイラーとして、ときには熱狂的なファンに悩まされながらも、人気者としての日々を送っていた。
    しかし、あるコンベンションで、リジー・ヘグザムを名乗る女性から、自身の経歴に使われている写真が実は他人の写真であることを暴露されたトーマスは、自分がウィルソン・テイラーの実の息子ではないのではないかという疑いを持つ。
    自分をトミー・テイラーシリーズに登場する吸血鬼であると信じる人物により誘拐されたトーマスは、彼に殺されそうになるが、リジーの助けにより事なきを得る。危機をくぐり抜けたトーマスはますますトミー・テイラーとしての名声を高めるが、彼はついに、自分の出生を探るため旅に出ることに。
    しかし彼の行く手には、何者かの命令を受け、彼をつけねらう男プルマンの影がちらついているのだった…

    ヴァーティゴレーベルの人気ファンタジー作品。トーマスが自分の出生の秘密を探っていくのが今のところの主な筋立てだけれども、それと、プルマンの何でも溶かしてしまう右手のようなファンタジックな小道具が合わさって、トーマスが本当にウィルソン・テイラーの息子なのか、もらわれた子どもで記憶は偽物なのか、それとも物語のトミー・テイラーその人なのか、さっぱり読めない状況。
    1巻の後半ではトーマスが父と暮らした館へ赴き、ミステリーの館モノのように謎解きと連続殺人に挑んだりする。今後は色々な物語のパターンをなぞりつつ進んでいくのかな、と思わせる展開だ。最後には想像上の生き物であるはずの羽を持つ猫が登場し、ますますフィクションと現実との境目があいまいになる。これは先が気になるなあ。

    DC UNIVERSE ONLINE LEGENDS #5-11

    現在。エキソバイトにより、ウォッチタワーは破壊され、その破片が地球へと墜落する。テレポーターで脱出したヒーローたちは墜落する破片から人々を守るために活躍するが、ブレイニアックは牽引ビームにより破片のひとつを誘導、メトロポリスめがけて落下するその破片にとりついたスーパーマンは、何とかその破片をメトロポリス郊外へ逸らすことに成功する。しかしブレイニアックから情報を聞き、いち早くメトロポリスを逃げ出していたレックス・ルーサーは、その破片の犠牲となり、大けがを負ってしまう。
    スーパーマンへの復讐を誓うルーサーを自らの船に拉致したブレイニアックは、ルーサーをサイボーグに改造する。全てはブレイニアックの企みによるものだと憤るルーサーは、自分が主導する作戦を受け入れるようブレイニアックに迫る。
    ルーサーの計略により、ボトルシティにされていたデイリー・プラネット本社は彼の手で救い出されたことにされた。アーカムでの暴動を鎮圧していたジャスティスリーグから勝手に離脱し、ルーサーがボトルシティを「救出した」現場に向かったスーパーマンは、ロイスとの再会を喜ぶが、その隙にエキソバイトの干渉を許してしまう。
    ルーサーがこれまでのヒーローにとって替わる存在として一般市民出身のヒーローをデビューさせる一方、スーパーマンはブレイニアックの干渉によって能力を暴走させ、多くの市民を巻き添えにしてしまう。彼は自分の能力に不安を感じ、ヒーロー達、そしてロイスから距離を置くことを考えるが、そんななか、ルーサーはスーパーマンとクラーク・ケントが同一人物であることを突き止めるのだった。
    未来。ルーサーとアトム、ブラックキャナリーは惑星コルガーのボトルシティに進入し、首尾よくイエローリングを手に入れる。さらにエキソバイトによって奪われたヒーロー達の能力を解放し、新たなヒーローを誕生させようとするが、既にグリーンランタンのパワーリングの力を手に入れていたブレイニアックにより残りのヒーローも倒されてしまった。
    しかしなんとか生き残っていたバットマンは、わずかに残ったメタヒューマンの力を借りスーパーマンの孤独の要塞へ向かい、そこで同じく生きていたルーサーと合流する。リップ・ハンターの技術を利用したタイムポータルで過去に警告を送ろうとしたバットマンだったが、ブレイニアックのロボットがそこに乱入する。やむを得ずバットマンとロボットが戦闘している隙に、ルーサーは過去へ向かうのだった。

    オンラインゲームを基にしたマキシシリーズも中盤戦。このあたりの号は現在編がずっと続いていて、スーパーマンの死で終わるとわかっている展開を読み続けるのは少々鬱な気分にさせられる。スーパーマンの優しさやロイスへの思いにあふれた行動が、逆にその首を絞めていく過程を見せられ続けるのはなんとも、ね。
    逆に未来編はバットマンの登場で先が読めなくなった感じ。ヒーロー全滅でルーサーひとりが笑う展開になるとも思えないけれど、ブレイニアックの力は圧倒的でここから逆転できるのかどうか、ハラハラさせられている。
    それから、本筋とは関係ない話なんだけど、ウォッチタワーが墜落するとき、ヒーロー達に素で忘れられていたアクアマンには変な笑いが出てしまった。その後も能力を失ったせいか全くお話に登場しないし、アクアマンって不遇なキャラクターだなあ。
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    Author:Triassic
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