WINTER SOLDIER #2-3
WRITER:ED BRUBAKER, ARTIST:BUTCH GUICE
ラトベリア大使館の目の前でドクター・ドゥームが狙撃される事件が発生し、バッキーとブラックウィドウは緊急呼び出しを受ける。狙撃手がゼファイア計画でバッキーに教育された三人のうちのひとり、アーケイディであることを確認したバッキーは、ニック・フューリーから得た情報を元に、ヒーロー達の技術を闇市場に流しているオークションに乗り込む。彼はゼファイア計画の三人が眠る冷凍チューブを手に入れたのは、レッドゴーストであることを確認し、さらに彼がドゥームボットを手に入れていることを知る。
一連の事実からドクター・ドゥームに恨みを持つ人物、マダム・ルシアこそが事件の黒幕と考えたバッキー達は、危険を冒してドゥームの元へ向かう。
だがその頃、レッドゴーストは支配下に置いたドゥームボットとともに国連ビルに向かっていた……
バッキーの暗闘を描くシリーズ、最初のストーリーは彼と同じく冷凍保存されていたソビエトの兵士を軸に、未だに冷戦は終わっていないと信じる旧共産系ヴィランのレッドゴースト、そしてフューリーらによって傀儡としてラトベリアの大統領となりながら、彼らの予想を上回る悪辣さを発揮したマダム・ルシアが絡むお話。
当然ながらドクター・ドゥームその人も登場するわけで、バッキーとドゥームとの初顔合わせが#3の見どころ。大使館の警備網をリード・リチャーズの新発明と超人的な技量で乗り切った、と思いきやドゥーム本人はやっぱり凄かった、という展開は順当かな。これで早くも、死んだはずのバッキーが生存していることがドゥームにばれてしまったわけだけど、その辺をどう処理するのかは今後の楽しみ。バッキーがドゥームにひとつ貸し、みたいな展開になるのか、どうか。
ラトベリア大使館の目の前でドクター・ドゥームが狙撃される事件が発生し、バッキーとブラックウィドウは緊急呼び出しを受ける。狙撃手がゼファイア計画でバッキーに教育された三人のうちのひとり、アーケイディであることを確認したバッキーは、ニック・フューリーから得た情報を元に、ヒーロー達の技術を闇市場に流しているオークションに乗り込む。彼はゼファイア計画の三人が眠る冷凍チューブを手に入れたのは、レッドゴーストであることを確認し、さらに彼がドゥームボットを手に入れていることを知る。
一連の事実からドクター・ドゥームに恨みを持つ人物、マダム・ルシアこそが事件の黒幕と考えたバッキー達は、危険を冒してドゥームの元へ向かう。
だがその頃、レッドゴーストは支配下に置いたドゥームボットとともに国連ビルに向かっていた……
バッキーの暗闘を描くシリーズ、最初のストーリーは彼と同じく冷凍保存されていたソビエトの兵士を軸に、未だに冷戦は終わっていないと信じる旧共産系ヴィランのレッドゴースト、そしてフューリーらによって傀儡としてラトベリアの大統領となりながら、彼らの予想を上回る悪辣さを発揮したマダム・ルシアが絡むお話。
当然ながらドクター・ドゥームその人も登場するわけで、バッキーとドゥームとの初顔合わせが#3の見どころ。大使館の警備網をリード・リチャーズの新発明と超人的な技量で乗り切った、と思いきやドゥーム本人はやっぱり凄かった、という展開は順当かな。これで早くも、死んだはずのバッキーが生存していることがドゥームにばれてしまったわけだけど、その辺をどう処理するのかは今後の楽しみ。バッキーがドゥームにひとつ貸し、みたいな展開になるのか、どうか。
AMAZING SPIDER-MAN #680-681
WRITER:DAN SLOTT & CHRIS YOST, ARTIST:GUISEPPE CAMUNCOLI
ピーター・パーカーが勤めるホライゾン・ラボが軌道上に建造した宇宙ステーション、アポジー1。J・ジョナ・ジェイムソンの息子で宇宙飛行士のジョンが、アポジー1から地球のJJJと更新している最中、突然通信が途絶える。その場に居合わせたピーターはFFの装備なら宇宙へ行けると考え、ラボを飛び出す。
バクスタービルディングへ向かったスパイダーマンだったが、そこにいたのは最近ネガティブゾーンから帰還したジョニー・ストーム一人だった。彼をせかし、FF所有の小型ロケットでアポジー1にたどりついたスパイダーマンだったが、宇宙ステーションの内部は人工重力が切られている上に、乗組員がどこにもいないことに気づく。
無重力に苦労しながらアポジー1の内部を調べる二人の前に、大量の小型オクトボット――ドクター・オクトパスの作ったロボット――が姿を現す。スパイダーマンのウェブは無重力化ではうまく使えず、ヒューマントーチの炎はアポジー1内の残量のわからない酸素を消費するために使えない。しかしその前にジョンが現われ、パルス銃でオクトボットの機能を麻痺させる。彼に案内されたスパイダーマンとヒューマントーチは、ジョン以外の乗組員がオクトボットに取り付かれてゾンビ化していることを知る。いったん脱出し、アベンジャーズの助けを借りようとする三人だったが、邪魔者が現われたことに気づいた地球のドクター・オクトパスはロケットを破壊し、アポジー1を地球に落下させようとする。スパイダーマンはヒューマントーチの持つリード・リチャーズ特製の携帯電話でホライゾン・ラボと連絡を取り、一時的にアポジー1の空気をなくすことでゾンビ化した乗組員を無力化する。
磁石の特製を持たせた新作のウェブを使ってゾンビ化した乗組員を残らず捕まえたスパイダーマンは、一番構造が丈夫な試験区画に避難し、ヒューマントーチの熱吸収能力を使って大気圏突入をやり遂げるのだった。
スパイダーマンと、最近生きていたことが判明したヒューマントーチの共演話。冒頭から自分が「死んでいた」間に撮り貯めたビデオを見ながら踊っているジョニーが楽しい。その後も、自分の死んだ後のために、FFのメンバーにピーターを薦めるビデオを残していたことについて「そんなことはしてない」ととぼけたり、自信満々にリード特製の携帯を取り出したり、マグネットウェブがあれば最初の時点でオクトボットの問題を解決できたことに気づいてピーターと言い争いをしたり、いつもの調子でピーターと漫才を繰り広げるジョニーの姿には安心した。FF本誌ではネガティブゾーンからの帰還後は少しシリアスな面が目立っていたからね。
とはいえ、死線をくぐり抜けて復活を遂げた彼は、今までとどこか違った面も持っていて、シリアスなモードへの切り替えがちゃんとできたり、ダン・スロットのスパイディのキャッチフレーズである"NO ONE DIES!"(誰も死なせやしない)に対して、人はみんな死ぬもんだと冷静にツッコんだりもしている。
お話については、ジョニーの持っている携帯があれば宇宙からアベンジャーズ呼べるんじゃないの? といったツッコミどころはあるけれど、ピーターとジョニーの掛け合いで乗り切った感じかな。マグネットウェブを使うのを本気で忘れていたピーターには笑ってしまった。
ピーター・パーカーが勤めるホライゾン・ラボが軌道上に建造した宇宙ステーション、アポジー1。J・ジョナ・ジェイムソンの息子で宇宙飛行士のジョンが、アポジー1から地球のJJJと更新している最中、突然通信が途絶える。その場に居合わせたピーターはFFの装備なら宇宙へ行けると考え、ラボを飛び出す。
バクスタービルディングへ向かったスパイダーマンだったが、そこにいたのは最近ネガティブゾーンから帰還したジョニー・ストーム一人だった。彼をせかし、FF所有の小型ロケットでアポジー1にたどりついたスパイダーマンだったが、宇宙ステーションの内部は人工重力が切られている上に、乗組員がどこにもいないことに気づく。
無重力に苦労しながらアポジー1の内部を調べる二人の前に、大量の小型オクトボット――ドクター・オクトパスの作ったロボット――が姿を現す。スパイダーマンのウェブは無重力化ではうまく使えず、ヒューマントーチの炎はアポジー1内の残量のわからない酸素を消費するために使えない。しかしその前にジョンが現われ、パルス銃でオクトボットの機能を麻痺させる。彼に案内されたスパイダーマンとヒューマントーチは、ジョン以外の乗組員がオクトボットに取り付かれてゾンビ化していることを知る。いったん脱出し、アベンジャーズの助けを借りようとする三人だったが、邪魔者が現われたことに気づいた地球のドクター・オクトパスはロケットを破壊し、アポジー1を地球に落下させようとする。スパイダーマンはヒューマントーチの持つリード・リチャーズ特製の携帯電話でホライゾン・ラボと連絡を取り、一時的にアポジー1の空気をなくすことでゾンビ化した乗組員を無力化する。
磁石の特製を持たせた新作のウェブを使ってゾンビ化した乗組員を残らず捕まえたスパイダーマンは、一番構造が丈夫な試験区画に避難し、ヒューマントーチの熱吸収能力を使って大気圏突入をやり遂げるのだった。
スパイダーマンと、最近生きていたことが判明したヒューマントーチの共演話。冒頭から自分が「死んでいた」間に撮り貯めたビデオを見ながら踊っているジョニーが楽しい。その後も、自分の死んだ後のために、FFのメンバーにピーターを薦めるビデオを残していたことについて「そんなことはしてない」ととぼけたり、自信満々にリード特製の携帯を取り出したり、マグネットウェブがあれば最初の時点でオクトボットの問題を解決できたことに気づいてピーターと言い争いをしたり、いつもの調子でピーターと漫才を繰り広げるジョニーの姿には安心した。FF本誌ではネガティブゾーンからの帰還後は少しシリアスな面が目立っていたからね。
とはいえ、死線をくぐり抜けて復活を遂げた彼は、今までとどこか違った面も持っていて、シリアスなモードへの切り替えがちゃんとできたり、ダン・スロットのスパイディのキャッチフレーズである"NO ONE DIES!"(誰も死なせやしない)に対して、人はみんな死ぬもんだと冷静にツッコんだりもしている。
お話については、ジョニーの持っている携帯があれば宇宙からアベンジャーズ呼べるんじゃないの? といったツッコミどころはあるけれど、ピーターとジョニーの掛け合いで乗り切った感じかな。マグネットウェブを使うのを本気で忘れていたピーターには笑ってしまった。
AMAZING SPIDER-MAN #677/DAREDEVIL #8
WRITER:MARK WAID, ARTIST:EMMA RIOS(AMAZING SPIDER-MAN #677), KANO(DAREDEVIL #8)
つい最近恋人と別れてしまったピーター・パーカーは、腹立ち紛れに強盗を捕まえる。そこへ現われたブラックキャットにつきまとってよりを戻そうとするスパイダーマンだったが、ブラックキャットはまったく相手にせず、二人は別れる。
しかしブラックキャットは自分の家でコスチュームにつけられたスパイダートレーサーを発見。ほぼ同時に、警官たちが家になだれこんでくる。
翌朝、ホライゾンラボへ出勤したピーターは、ブラックキャットが昨日ラボに侵入し、ある発明品を盗んでいったと知る。しかしブラックキャットの姿が防犯カメラに撮影された時間、彼女はスパイダーマンと一緒だったことを知るピーターは調査を始める。
事件を調査する相棒としてマット・マードックを捕まえたスパイダーマンだったが、自分はデアデビルではないと公言するマットは、デートの相手であるカースティンの前でとぼけてみせる。その後コスチューム姿で落ち合った二人は、重武装した兵士が件の発明品の製作者、ワッシャーシュミットを人質にとっている場面に遭遇する。人質に怪我はさせられないと慎重になるスパイダーマンだったが、デアデビルはまったく動じない。盲目の彼には兵士達も人質もホログラムであることがわかっていたのだ。
ホログラムが隠していたトンネルを見つけ、入り込んだ二人だったが、突然トンネルが崩落し、あわや生き埋めという状況に陥る。さらに、破れた送電ケーブルに触れ感電してしまったスパイダーマンの前に、警察の手から脱走したブラックキャットが現われる。トンネルの崩落は、スパイダーマンが警官を招き寄せたのだと誤解する彼女が幸運を操作して引き起こした事故だったのだ。
デアデビルが割ってはいることでなんとか誤解は解け、三人はワッシャーシュミットの家に向かう。中を調べた三人は、デアデビルの聞きつけた物音から、ワッシャーシュミットが家の隠し部屋に閉じこめられているのを発見する。事件の裏にテラワンという企業がいて、ワッシャーシュミットが自作自演で失ったことにした技術を手に入れようとしていることを知った三人。ワッシャーシュミットが毒を盛られていることに気づいたデアデビルはスパイダーマンに、彼を病院に連れて行くよう指示し、自分はブラックキャットとテラワンのビルへ向かう。
ビルの屋上から内部に侵入した二人は、二手に分かれることになり、デアデビルはホログラム投影装置を手にしたブラック・スペクターの工作員に出くわす。自信満々に装置で多数の幻影を投射し、自分と戦わせようとする工作員を、デアデビルは難なく倒すのだった。
一方、ブラックキャットは今回の黒幕である人物に出会っていた。その人物が持ちかけた、デアデビルが所持するオメガドライブ――リード・リチャーズの技術を利用して作られた、数多くの悪の組織の情報を収めた記憶装置――を盗み出す依頼を、ブラックキャットは受けることにする。事件が一応の結末を迎えた後、ベッドをともにするマットとフェリシアだったが、そこへフォギーから電話が入る。マットの父ジャック・マードックの墓が、何者かに荒らされたというのだ……
アメイジング・スパイダーマン誌とデアデビル誌のクロスオーバー。とはいうものの、物語の重点はデアデビルの方に置かれていたように思う。スパイダーマン側もピーターのキャラクターは立っているのだけれど、いかんせん前半ではフェリシアに袖にされ、後半ではマットに邪魔者扱い、とあまりいいところがないんだよね。最後にはマットとフェリシアがキスする場面を見せつけられながら、こりゃ僕のヴィラン人生のオリジンになりそう、とボヤくのが可哀想。
お話は割と単純なもので、ヒーロー三人の掛け合いを楽しむのに邪魔にならない程度のもの。ホログラムが守っていたトンネルを見つけるあたりの展開はちょっとご都合主義じゃないかな、とも感じた。
アートは両誌ともに良い感じ。特に、EMMA RIOSのフェリシアは美人でいいなあ、と思った。
つい最近恋人と別れてしまったピーター・パーカーは、腹立ち紛れに強盗を捕まえる。そこへ現われたブラックキャットにつきまとってよりを戻そうとするスパイダーマンだったが、ブラックキャットはまったく相手にせず、二人は別れる。
しかしブラックキャットは自分の家でコスチュームにつけられたスパイダートレーサーを発見。ほぼ同時に、警官たちが家になだれこんでくる。
翌朝、ホライゾンラボへ出勤したピーターは、ブラックキャットが昨日ラボに侵入し、ある発明品を盗んでいったと知る。しかしブラックキャットの姿が防犯カメラに撮影された時間、彼女はスパイダーマンと一緒だったことを知るピーターは調査を始める。
事件を調査する相棒としてマット・マードックを捕まえたスパイダーマンだったが、自分はデアデビルではないと公言するマットは、デートの相手であるカースティンの前でとぼけてみせる。その後コスチューム姿で落ち合った二人は、重武装した兵士が件の発明品の製作者、ワッシャーシュミットを人質にとっている場面に遭遇する。人質に怪我はさせられないと慎重になるスパイダーマンだったが、デアデビルはまったく動じない。盲目の彼には兵士達も人質もホログラムであることがわかっていたのだ。
ホログラムが隠していたトンネルを見つけ、入り込んだ二人だったが、突然トンネルが崩落し、あわや生き埋めという状況に陥る。さらに、破れた送電ケーブルに触れ感電してしまったスパイダーマンの前に、警察の手から脱走したブラックキャットが現われる。トンネルの崩落は、スパイダーマンが警官を招き寄せたのだと誤解する彼女が幸運を操作して引き起こした事故だったのだ。
デアデビルが割ってはいることでなんとか誤解は解け、三人はワッシャーシュミットの家に向かう。中を調べた三人は、デアデビルの聞きつけた物音から、ワッシャーシュミットが家の隠し部屋に閉じこめられているのを発見する。事件の裏にテラワンという企業がいて、ワッシャーシュミットが自作自演で失ったことにした技術を手に入れようとしていることを知った三人。ワッシャーシュミットが毒を盛られていることに気づいたデアデビルはスパイダーマンに、彼を病院に連れて行くよう指示し、自分はブラックキャットとテラワンのビルへ向かう。
ビルの屋上から内部に侵入した二人は、二手に分かれることになり、デアデビルはホログラム投影装置を手にしたブラック・スペクターの工作員に出くわす。自信満々に装置で多数の幻影を投射し、自分と戦わせようとする工作員を、デアデビルは難なく倒すのだった。
一方、ブラックキャットは今回の黒幕である人物に出会っていた。その人物が持ちかけた、デアデビルが所持するオメガドライブ――リード・リチャーズの技術を利用して作られた、数多くの悪の組織の情報を収めた記憶装置――を盗み出す依頼を、ブラックキャットは受けることにする。事件が一応の結末を迎えた後、ベッドをともにするマットとフェリシアだったが、そこへフォギーから電話が入る。マットの父ジャック・マードックの墓が、何者かに荒らされたというのだ……
アメイジング・スパイダーマン誌とデアデビル誌のクロスオーバー。とはいうものの、物語の重点はデアデビルの方に置かれていたように思う。スパイダーマン側もピーターのキャラクターは立っているのだけれど、いかんせん前半ではフェリシアに袖にされ、後半ではマットに邪魔者扱い、とあまりいいところがないんだよね。最後にはマットとフェリシアがキスする場面を見せつけられながら、こりゃ僕のヴィラン人生のオリジンになりそう、とボヤくのが可哀想。
お話は割と単純なもので、ヒーロー三人の掛け合いを楽しむのに邪魔にならない程度のもの。ホログラムが守っていたトンネルを見つけるあたりの展開はちょっとご都合主義じゃないかな、とも感じた。
アートは両誌ともに良い感じ。特に、EMMA RIOSのフェリシアは美人でいいなあ、と思った。
ELEPHANTMEN VOL.1: WOUNDED ANIMALS TP
WRITER:RICHARD STARKINGS, ARTIST:MORITAT他
23世紀。軍需企業マッポのマッドサイエンティスト、カズシ・ニッケンによって作られた、半人半獣の生物兵器、“エレファントメン”たちは、国連軍によるマッポ制圧により、自由の身となった。
そして西暦2259年。象のエレファントメンであるエボニーは、エレファントメンを殺してその剥製を売るブローカーを追っていた。しかし彼らの罠にはまってしまった彼は、エレファントメンとして鍛え上げられた戦闘力で危機を脱したものの、深い傷を負い、病院に収容される。
一方、エボニーの同僚であるカバのエレファントメン、ヒップは、ワニのエレファントメンであるイライジャとの戦いの末に、ある人形を手に入れる。その人形は、ヒップの遺伝子上の姉であり、また大企業家であるサイのエレファントメン、オバディアの婚約者でもあるサハラのものだった。しかしヒップはその人形を、エボニーの身を案じて家出をしてきた幼い少女、サバナにプレゼントしてしまう。
しかし、オバディアにとってその人形は重要なものであり、彼はイライジャにヒップの行方を追うように命じるのだった…
半人半獣のエレファントメンを主役とした、SF群像劇。退廃的なサイバーパンク風の世界観に、威圧感を感じさせる巨体でありながら、どこか哀愁を漂わせている彼らの姿がうまくマッチしていると思う。
この1巻はキャラクターの紹介と世界観の説明に重きがおかれていて、物語はまだ導入部といった感じ。けれども、冒頭のエボニーとサバナの思わずほほえんでしまうような出会いの物語であったり、逆にニッケンをはじめとするマッポの狂気が伝わってくるエレファントメン創造の舞台裏、オバディアを深く愛する女性サハラが乗り越えてきた悲劇といった小さなエピソードが、効果的に世界観を伝えてきて飽きさせない。キャラクターも、説得力がある造形で悪くない。とはいえ、キャラ同士の関係性が、心に野生を抱えたエレファントメン=男性たちと、それを見守る女性という構図がちょっと鼻につくかな。
このシリーズは既に単行本が4冊に前日譚が2冊ほど出ているらしいので、ぼちぼち集めてみようかなあ。
23世紀。軍需企業マッポのマッドサイエンティスト、カズシ・ニッケンによって作られた、半人半獣の生物兵器、“エレファントメン”たちは、国連軍によるマッポ制圧により、自由の身となった。
そして西暦2259年。象のエレファントメンであるエボニーは、エレファントメンを殺してその剥製を売るブローカーを追っていた。しかし彼らの罠にはまってしまった彼は、エレファントメンとして鍛え上げられた戦闘力で危機を脱したものの、深い傷を負い、病院に収容される。
一方、エボニーの同僚であるカバのエレファントメン、ヒップは、ワニのエレファントメンであるイライジャとの戦いの末に、ある人形を手に入れる。その人形は、ヒップの遺伝子上の姉であり、また大企業家であるサイのエレファントメン、オバディアの婚約者でもあるサハラのものだった。しかしヒップはその人形を、エボニーの身を案じて家出をしてきた幼い少女、サバナにプレゼントしてしまう。
しかし、オバディアにとってその人形は重要なものであり、彼はイライジャにヒップの行方を追うように命じるのだった…
半人半獣のエレファントメンを主役とした、SF群像劇。退廃的なサイバーパンク風の世界観に、威圧感を感じさせる巨体でありながら、どこか哀愁を漂わせている彼らの姿がうまくマッチしていると思う。
この1巻はキャラクターの紹介と世界観の説明に重きがおかれていて、物語はまだ導入部といった感じ。けれども、冒頭のエボニーとサバナの思わずほほえんでしまうような出会いの物語であったり、逆にニッケンをはじめとするマッポの狂気が伝わってくるエレファントメン創造の舞台裏、オバディアを深く愛する女性サハラが乗り越えてきた悲劇といった小さなエピソードが、効果的に世界観を伝えてきて飽きさせない。キャラクターも、説得力がある造形で悪くない。とはいえ、キャラ同士の関係性が、心に野生を抱えたエレファントメン=男性たちと、それを見守る女性という構図がちょっと鼻につくかな。
このシリーズは既に単行本が4冊に前日譚が2冊ほど出ているらしいので、ぼちぼち集めてみようかなあ。
SUPERMAN:SECRET ORIGIN
WRITER:Geoff Johns, ARTIST:Gary Frank
カンザス州スモールヴィル。老夫婦の息子として農場で暮らす少年クラーク・ケントは、両親と幼なじみの少女ラナしか知らない秘密を持っていた。彼は常人をはるかに超えた力を持ち、その肉体は鋼鉄のように丈夫だったのだ。それに加えて、透視能力や目から熱線を発する能力が現われるようになり、自分が誰かを傷つける危険におびえるクラークに、両親は真実を告げる。クラークは小さなロケットに乗ってこの星にやってきた異星人であり、彼らはロケットを隠して、クラークを自分たちの子として育ててきたのだ。
真実を知りショックを受けるクラークを、養父ジョナサンは優しく抱き、お前は自分たちの息子だと語る。クラークは熱線を吸収できるロケットの部品で作ったメガネをかけ、また学校へ通う生活に戻る。そしてラナが竜巻に巻き込まれるという事件をきっかけに飛行能力を発揮したクラークは、竜巻からラナを救い出したように、自分の力で人々を救うことにする。そして養父マーサはロケットが映し出した映像を元に、赤子のクラークを包んでいた布を使って、特別な衣装を作るのだった。(#1)
マーサの作ってくれた衣装に身を包み、人々を助ける謎の少年として活躍するクラークだったが、その反面、同年代の子どもたちのスポーツには加われず、孤独を感じていた。そんな彼の前に奇妙なコスチュームを着た三人の少年達が現われる。彼らはそれぞれ、コズミックボーイ、ライトニングラッド、そしてサターンガールと名乗り、自分たちは30世紀からやってきたリージョン・オブ・スーパーヒーローズだと告げる。彼らについて30世紀を訪れたクラークは、自分の能力を隠す必要のないこの時代に興奮するが、タイムスリップのルールを破ったことをリージョンの一員ブレイニアック5にとがめられ、元の時代へ帰ることになる。
しかしコズミックボーイ達は元の時代のスモールヴィルでの別れ際に、また会うことを約束し、その証として一本の木にしるしを刻むのだった。(#2)
十数年後、クラーク・ケントは大都会メトロポリスで、新聞記者として雇われることになる。その新聞社デイリー・プラネットは、街の権力者レックス・ルーサーに反発しているために売り上げ不振に苦しんでいた。クラークは知り合った同じ新聞記者のロイス・レーンに連れられて、ルーサーの会社レックスコープの新しい商品、パワードスーツのメタロの発表会に潜り込む手助けをさせられる羽目に。しかしロイスが警備員に捕まえられそうになったとき、運悪くメタロから出ているコードが絡まり、ロイスはメタロが掲げ持っていたヘリコプターもろともビルの屋上から放り出される。それを救ったのは状況を理解してあのコスチュームに着替えたクラークだった。しかし空を飛ぶクラークに人々が向ける好奇の目に耐えられず、彼はその場を離れるのだった。(#3)
その翌日、レックス・ルーサーはいつものように自社のビルの前に群がる人々の中から一人を選び出す。その人物とはデイリー・プラネットのビルで働く中年男ルディ・ジョーンズであり、ルーサーは彼の望む物をなんでも与えることを申し出る。
一方で街の話題となっている空飛ぶ超人に興味を持っているルーサーは、ロイスとクラークを自分のもとに招き、空を飛ぶ超人のことを聞き出そうとする。だがその最中、同じビル内で落ちていたドーナツを拾って食べたルディの身体が変化し、怪人パラサイトとなって人々を襲い始める。事態を察知したクラークはトイレを装って着替え、パラサイトを捕らえる。しかしことの経緯を傍観していた人々に対し、パラサイトではなくクラークの危険性を訴えるルーサーの言葉を聞いた彼は、ひとり空を飛んでデイリー・プラネットの屋上にやってくる。
そこでデイリー・プラネットの見習いカメラマン、ジミー・オルセンと出会ったクラークは、彼の身の上話を聞き、彼に自分の写真を撮らせることにする。ロイスの記事とジミーの写真が一面に載せられたデイリー・プラネットの誌面で、クラークはスーパマンという名を与えられるのだった。(#4)
人々を助けるスーパーマン、彼を写真に収めるジミー、そして記事を書くロイスという一種のチームが活躍し、デイリー・プラネットは業績を伸ばしていく。その一方でスーパーマンへの異常な敵愾心に燃えるルーサーは、同じくスーパーマンを危険視する、ロイスの父レーン将軍の協力を得て、スーパーマンを捕らえる作戦を立てる。ある鉱石の放射能に侵されたドーナツを食べたパラサイトが、スーパーマンを傷つけることができたことから、この鉱石の放射能によってスーパーマンを倒すことができると確信するルーサーは、メタロに鉱石を積み込み、スーパーマンと戦わせることにする。
爆発音を聞きつけ、やってきたスーパーマンと対面したレーン将軍は、彼が異星人であることを指摘し、この星から出ていくよう促す。しかし自分は地球で生まれ育ったアメリカ人だと自覚するクラークは彼の命令に反し、会談の席を立った。それを明確な反抗と捉えたレーン将軍は兵隊を出動させ、スーパーマンを止めようとする。
銃で撃たれても平気なスーパーマンだったが、レーン将軍お気に入りの軍人であり、ロイスに想いを寄せるジョン・コーベン軍曹の操縦するメタロの放つ放射線によって苦しめられる。しかし援護射撃がスーパーマンの身体に跳ね返ってメタロが故障、コーベンは傷を負い倒れる。コーベンを救おうとするスーパーマンだったが、降り注ぐ銃撃に退却を余儀なくされるのだった。(#5)
スーパーマンを逃がしてしまったレーン将軍は、軍隊を出動させてデイリー・プラネットを占拠し、スーパーマンに関するあらゆる資料を手に入れようとする。
強権を振りかざす将軍を止めようとするスーパーマンだったが、その前にルーサーによる手術を受け、もはやメタロそのものの怪人と化したコーベンが立ちふさがった。しかしスーパーマンとの戦いを何よりも優先するメタロは、仲間の軍人や周囲の人々が傷つくことも構わず街を破壊し続ける。
デイリー・プラネットから飛び出してきたロイスから自分を弱体化させる放射線のことを聞いたスーパーマンは、鉱物を収めたメタロの胸をマンホールの蓋で溶接すると、メタロを抱えて成層圏まで飛び上がり、彼が呼吸困難に陥って昏倒したところで地上に戻る。
その様子を見て娘もろともスーパーマンを捕らえようとするレーン将軍だったが、人々は自分たちを救ってくれたスーパーマンを軍に引き渡すまいとする。スーパーマンは人々に、自分は救世主ではなく、ただ人々が自分に与えられた能力を、お互いに分かち合うことでよりよい世界が作れると信じているだけだと語り、その場を去る。そしてメタロの敗北に荒れるルーサーのもとに赴き、人々は自分の所有物でも、ルーサーのものでもないと宣言する。
スーパーマンはメトロポリスにとどまり、彼を支持するデイリー・プラネットの見方は人々に受け入れられた。ロイスをデイリー・プラネットの屋上へ誘ったスーパーマンは、彼女に感謝の意を伝える。あなたは人なのか、それともエイリアンなのかとロイスに問われた彼は、自分はスーパーマンだと答え、空へと舞い上がるのだった。(#6)
ジェフ・ジョーンズ&ギャリー・フランクの描くスーパーマンのはじまりの物語。このコンビの描くスーパーマンを読むのはSuperman and the Legion of Super-Heroes以来だけど、どちらも甲乙つけがたい名作になっていると思う。
本作でまず特徴的なのは幼少時代のクラークに全6話中の2話を割いている点で、このおかげでスーパーマンをスーパーマンたらしめている大きな要因である、ケント夫妻との絆がしっかり描かれている。
ライターのジェフ・ジョーンズは親子関係を物語の重要なテーマに持ってくることが多い作家で、本作でもそのこだわりが十分に発揮されている。中でも、1話で自分が異星人であることを知り、家を飛び出したクラークが、追ってきたジョナサンに、「自分は他の誰でもない、クラーク・ケント、父さんと母さんの息子でいたい」と訴え、ジョナサンがそんな彼を抱きしめて、「お前は私たちの子だ」と伝えるシーンが特にいい。
それから、スーパーマンがはじめ人々に受け入れられず、あるいは過度に期待をされている状態から、当たり前のように存在するひとりのヒーローとして受け入れられていく過程が描かれているところもポイント。その転機のそれぞれに、やはり両親の存在が大きなものとして描かれているところはさすがだ。
終盤のメタロとの対決がちょっと地味なスケールなのと、地球にやってきた二番目のロケットが処理されない伏線として残ってしまったのが気になる部分だけれど、これがまだ「はじまりの物語」であることを考えるとそれらもあまり気にならないかな。
とにかくスーパーマンという素材は思い切りベタな方向に振っても全然問題ないというか、むしろそれでこそスーパーマンとすら言えるヒーローなので、感動的な話が得意なジェフ・ジョーンズにはすごくよくはまっているキャラだと思う。
個人的には、現行のアクションコミックスはこの作品を念頭に置いて読むとなおおもしろいものになると思う。はじめの相手がメタロと裏で糸を引くレックス・ルーサー、と見せかけてもう一段スケールを大きくするブレイニアックという存在が登場するあたりや、この作品とは違ってまだ成長途上といったスーパーマンおよびクラーク・ケントの性格という部分などがそれで、数あるスーパーマンのオリジンを語る物語を見比べるという楽しみの手始めとして、今作に手を出してみるのもアリなのではないかな、と思った。
カンザス州スモールヴィル。老夫婦の息子として農場で暮らす少年クラーク・ケントは、両親と幼なじみの少女ラナしか知らない秘密を持っていた。彼は常人をはるかに超えた力を持ち、その肉体は鋼鉄のように丈夫だったのだ。それに加えて、透視能力や目から熱線を発する能力が現われるようになり、自分が誰かを傷つける危険におびえるクラークに、両親は真実を告げる。クラークは小さなロケットに乗ってこの星にやってきた異星人であり、彼らはロケットを隠して、クラークを自分たちの子として育ててきたのだ。
真実を知りショックを受けるクラークを、養父ジョナサンは優しく抱き、お前は自分たちの息子だと語る。クラークは熱線を吸収できるロケットの部品で作ったメガネをかけ、また学校へ通う生活に戻る。そしてラナが竜巻に巻き込まれるという事件をきっかけに飛行能力を発揮したクラークは、竜巻からラナを救い出したように、自分の力で人々を救うことにする。そして養父マーサはロケットが映し出した映像を元に、赤子のクラークを包んでいた布を使って、特別な衣装を作るのだった。(#1)
マーサの作ってくれた衣装に身を包み、人々を助ける謎の少年として活躍するクラークだったが、その反面、同年代の子どもたちのスポーツには加われず、孤独を感じていた。そんな彼の前に奇妙なコスチュームを着た三人の少年達が現われる。彼らはそれぞれ、コズミックボーイ、ライトニングラッド、そしてサターンガールと名乗り、自分たちは30世紀からやってきたリージョン・オブ・スーパーヒーローズだと告げる。彼らについて30世紀を訪れたクラークは、自分の能力を隠す必要のないこの時代に興奮するが、タイムスリップのルールを破ったことをリージョンの一員ブレイニアック5にとがめられ、元の時代へ帰ることになる。
しかしコズミックボーイ達は元の時代のスモールヴィルでの別れ際に、また会うことを約束し、その証として一本の木にしるしを刻むのだった。(#2)
十数年後、クラーク・ケントは大都会メトロポリスで、新聞記者として雇われることになる。その新聞社デイリー・プラネットは、街の権力者レックス・ルーサーに反発しているために売り上げ不振に苦しんでいた。クラークは知り合った同じ新聞記者のロイス・レーンに連れられて、ルーサーの会社レックスコープの新しい商品、パワードスーツのメタロの発表会に潜り込む手助けをさせられる羽目に。しかしロイスが警備員に捕まえられそうになったとき、運悪くメタロから出ているコードが絡まり、ロイスはメタロが掲げ持っていたヘリコプターもろともビルの屋上から放り出される。それを救ったのは状況を理解してあのコスチュームに着替えたクラークだった。しかし空を飛ぶクラークに人々が向ける好奇の目に耐えられず、彼はその場を離れるのだった。(#3)
その翌日、レックス・ルーサーはいつものように自社のビルの前に群がる人々の中から一人を選び出す。その人物とはデイリー・プラネットのビルで働く中年男ルディ・ジョーンズであり、ルーサーは彼の望む物をなんでも与えることを申し出る。
一方で街の話題となっている空飛ぶ超人に興味を持っているルーサーは、ロイスとクラークを自分のもとに招き、空を飛ぶ超人のことを聞き出そうとする。だがその最中、同じビル内で落ちていたドーナツを拾って食べたルディの身体が変化し、怪人パラサイトとなって人々を襲い始める。事態を察知したクラークはトイレを装って着替え、パラサイトを捕らえる。しかしことの経緯を傍観していた人々に対し、パラサイトではなくクラークの危険性を訴えるルーサーの言葉を聞いた彼は、ひとり空を飛んでデイリー・プラネットの屋上にやってくる。
そこでデイリー・プラネットの見習いカメラマン、ジミー・オルセンと出会ったクラークは、彼の身の上話を聞き、彼に自分の写真を撮らせることにする。ロイスの記事とジミーの写真が一面に載せられたデイリー・プラネットの誌面で、クラークはスーパマンという名を与えられるのだった。(#4)
人々を助けるスーパーマン、彼を写真に収めるジミー、そして記事を書くロイスという一種のチームが活躍し、デイリー・プラネットは業績を伸ばしていく。その一方でスーパーマンへの異常な敵愾心に燃えるルーサーは、同じくスーパーマンを危険視する、ロイスの父レーン将軍の協力を得て、スーパーマンを捕らえる作戦を立てる。ある鉱石の放射能に侵されたドーナツを食べたパラサイトが、スーパーマンを傷つけることができたことから、この鉱石の放射能によってスーパーマンを倒すことができると確信するルーサーは、メタロに鉱石を積み込み、スーパーマンと戦わせることにする。
爆発音を聞きつけ、やってきたスーパーマンと対面したレーン将軍は、彼が異星人であることを指摘し、この星から出ていくよう促す。しかし自分は地球で生まれ育ったアメリカ人だと自覚するクラークは彼の命令に反し、会談の席を立った。それを明確な反抗と捉えたレーン将軍は兵隊を出動させ、スーパーマンを止めようとする。
銃で撃たれても平気なスーパーマンだったが、レーン将軍お気に入りの軍人であり、ロイスに想いを寄せるジョン・コーベン軍曹の操縦するメタロの放つ放射線によって苦しめられる。しかし援護射撃がスーパーマンの身体に跳ね返ってメタロが故障、コーベンは傷を負い倒れる。コーベンを救おうとするスーパーマンだったが、降り注ぐ銃撃に退却を余儀なくされるのだった。(#5)
スーパーマンを逃がしてしまったレーン将軍は、軍隊を出動させてデイリー・プラネットを占拠し、スーパーマンに関するあらゆる資料を手に入れようとする。
強権を振りかざす将軍を止めようとするスーパーマンだったが、その前にルーサーによる手術を受け、もはやメタロそのものの怪人と化したコーベンが立ちふさがった。しかしスーパーマンとの戦いを何よりも優先するメタロは、仲間の軍人や周囲の人々が傷つくことも構わず街を破壊し続ける。
デイリー・プラネットから飛び出してきたロイスから自分を弱体化させる放射線のことを聞いたスーパーマンは、鉱物を収めたメタロの胸をマンホールの蓋で溶接すると、メタロを抱えて成層圏まで飛び上がり、彼が呼吸困難に陥って昏倒したところで地上に戻る。
その様子を見て娘もろともスーパーマンを捕らえようとするレーン将軍だったが、人々は自分たちを救ってくれたスーパーマンを軍に引き渡すまいとする。スーパーマンは人々に、自分は救世主ではなく、ただ人々が自分に与えられた能力を、お互いに分かち合うことでよりよい世界が作れると信じているだけだと語り、その場を去る。そしてメタロの敗北に荒れるルーサーのもとに赴き、人々は自分の所有物でも、ルーサーのものでもないと宣言する。
スーパーマンはメトロポリスにとどまり、彼を支持するデイリー・プラネットの見方は人々に受け入れられた。ロイスをデイリー・プラネットの屋上へ誘ったスーパーマンは、彼女に感謝の意を伝える。あなたは人なのか、それともエイリアンなのかとロイスに問われた彼は、自分はスーパーマンだと答え、空へと舞い上がるのだった。(#6)
ジェフ・ジョーンズ&ギャリー・フランクの描くスーパーマンのはじまりの物語。このコンビの描くスーパーマンを読むのはSuperman and the Legion of Super-Heroes以来だけど、どちらも甲乙つけがたい名作になっていると思う。
本作でまず特徴的なのは幼少時代のクラークに全6話中の2話を割いている点で、このおかげでスーパーマンをスーパーマンたらしめている大きな要因である、ケント夫妻との絆がしっかり描かれている。
ライターのジェフ・ジョーンズは親子関係を物語の重要なテーマに持ってくることが多い作家で、本作でもそのこだわりが十分に発揮されている。中でも、1話で自分が異星人であることを知り、家を飛び出したクラークが、追ってきたジョナサンに、「自分は他の誰でもない、クラーク・ケント、父さんと母さんの息子でいたい」と訴え、ジョナサンがそんな彼を抱きしめて、「お前は私たちの子だ」と伝えるシーンが特にいい。
それから、スーパーマンがはじめ人々に受け入れられず、あるいは過度に期待をされている状態から、当たり前のように存在するひとりのヒーローとして受け入れられていく過程が描かれているところもポイント。その転機のそれぞれに、やはり両親の存在が大きなものとして描かれているところはさすがだ。
終盤のメタロとの対決がちょっと地味なスケールなのと、地球にやってきた二番目のロケットが処理されない伏線として残ってしまったのが気になる部分だけれど、これがまだ「はじまりの物語」であることを考えるとそれらもあまり気にならないかな。
とにかくスーパーマンという素材は思い切りベタな方向に振っても全然問題ないというか、むしろそれでこそスーパーマンとすら言えるヒーローなので、感動的な話が得意なジェフ・ジョーンズにはすごくよくはまっているキャラだと思う。
個人的には、現行のアクションコミックスはこの作品を念頭に置いて読むとなおおもしろいものになると思う。はじめの相手がメタロと裏で糸を引くレックス・ルーサー、と見せかけてもう一段スケールを大きくするブレイニアックという存在が登場するあたりや、この作品とは違ってまだ成長途上といったスーパーマンおよびクラーク・ケントの性格という部分などがそれで、数あるスーパーマンのオリジンを語る物語を見比べるという楽しみの手始めとして、今作に手を出してみるのもアリなのではないかな、と思った。



